末期がん全身転移の母の抗がん剤、
イブランスの副作用の強さに、
すっかりビビってしまった私は、
母親に対して「イブランスは辞めた方が良い」と言ってしまいました。
が、
強い副作用にビビっていたら、
そもそも、抗がん剤治療は成り立たないのではないかと思いました。
癌細胞は自分の体で生み出したものですが
抗がん剤は、自分の体で生み出したがん細胞を
毒を持って殺しにかかった上に
様々な副作用がありますし。
抗がん剤を使用しないということは、
がんの進行に任せるということで、
ようは、抗がん剤を使うよりも、最短で死ぬような気がしました。
抗がん剤の副作用が嫌だから、使わない。
そう決めるのは、母本人であるべきなのに、
私は余計なことを言ってしまいました。
そもそも、病院探しから、緩和ケア病棟、お墓まで購入した
自分の人生の終末期にしっかり向き合った上で
しっかりレールまで敷いている母のすべきことに、
よっぽどおかしいと思わない限りは、口を挟むべきではなかったと強く後悔して、
母親に謝罪しました。
「やるべきと思ったことは自分でしっかりやる母さんに、
イブランスは辞めた方が良いなんて余計な口出してごめんね。」
っと言うと、母は、むしろ私を気遣ってくれました。
お母ちゃんのお腹で芽生えた私は、
母のお腹の中でスクスクと育ち、誕生!
まずこの時点で、母にかなうものがなにもないわけです。
母親には何もかなわないと言うよりも、
母親という存在がすごすぎて意味がわからず、
母親から生まれたということの理屈と言いいますか、
「母ちゃんから生まれたんだけれども、それってどう言うこと?」っと母に聞いたことがありました。
母の母、私にしてみれば祖母に当たりますが、
母は、母の母をどう考えていたかを訪ね直すと、
「すごい人だったわぁ~」っとのこと。
私が知りたいのは、母から生まれた私は、
その理屈がよくわからない。
常識的なことはわかるのですが、
母のお腹の中に居て生まれて、ありえない愛情で育ててくれて。
それってどう言うことなんだ?っと言う感じのことを知りたいのですが。
(しかし、20代くらいから結婚や出産する同級生などに言わせれば「滅私」はたやすいと言うか当然らしいですが)
それと、祖母(母の母)は、胃がんで亡くなりましたが、
当時、中学3年生で、
受験勉強(&テレビを見てダウンタウンの面白い話をメモったり、覚えてみたり)をしていた私は、
がんになって、抗がん剤治療を受けながら、死んでい行った祖母を
見守ることは、まったくなく、がん以後、
顔を見たのは、一回だけでした。
父が十何年か前に、胃がんになったのですが、
切り取って、あっさり退院。
その後再発が確認できないうえに、抗がん剤もそんなに強いものは飲んでいないとも思いますし、
当時父に「僕は歯医者さんに1年通っている。全部虫歯だと言われたから。それと今回の父さんのガンとどっちが重いのだろうか?」っと聞いたら
少し考えた父は、「お前の歯の治療のほうが重いかもしれないなぁ~。」っと、退院1ヶ月位で元気よく話してくれました。
(父は内視鏡手術とはいえ、取り出すときにお腹を切ってるわけですが)
友人などから「今、ガンじゃ死なないんだよ」と言った励ましのお便りもあり、
末期がんの母が、強い副作用のある抗がん剤治療をしている日常に、
思いっきりビビりまくった上に、
母の治療方針さえ否定したのですし、
多くのがん治療の患者様のブログにコメントを残したりして、情報を頂いたりもして、
このような私は、度し難いとしか言いようがないわけです。
母はしっかり考えのある人で、
母が必要と考えれば、自分でとことん調べて、自分でやってしまう人です。
逆に、必要がないと思えば最初から何もしません。
だから、病院選びから、緩和ケア、お墓の購入まで、完了済みなわけですし。
そのすべてを母は全部一人でやってしまいました。
(本人が言うには、「すぐ死ぬと思っていたから、お墓の購入は高い時に買ってしまった」)
母は全身転移の末期がん患者ですし、
70歳過ぎています。
だから、いずれ死ぬのは当然なわけですが、
死ぬまでの生き方と、本人が望む死に方は、
母はしっかり考えを持っているようですから、
口を出すべきでなかったと強く後悔しています。
自分の浅はかさを知れた(無知だし同じ間違いを繰り返しそうだなぁ)ことと、
今後はもっと強度を増していくであろう母の決断を
見守り続けられるのかが怖いという思いもあります。
が、成り行きに任せてしまおう。
と言っても、母は、強度の高い決断を強いられていくだろうし、
副作用も半端じゃなくなっていくだろうし。
でもそれが成り行きならば、
なんだか言葉に出来ないけれども、スッゲ~存在の母に、
結局は寄り添うしか無いわけです。
単純化すれば、
成り行きに寄り添う。
未来はわからない。
今考えることじゃない。
ましてや悩んだり心配はするけれども、
成り行きに寄り添って行くしかないと言う思いを
もっと強く持てたらと思ってやみません。
それに母には少しでも元気で長生きしてほしいです。
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